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Jun 8, 2009

USSEE bi-annual meeting (1)

ハーマン・デイリー: (Herman.Daly) 氏の講演は、予想以上に力強くそして簡潔だった。1時間30分におよぶスピーチだったが、ユーモアとよく考えられたスピーチの構成で、最後まであきることがない。(アメリカ人のスピーチのうまさには、いつも感心する)

ハーマン・E. デイリー氏は、世界銀行に勤務し、その後メーリランド大学の行政学部の教授として、、持続的な状況の経済学(Steady-State Economics)を柱とする数々の政策提言を発表している。スウェーデンのもうひとつのノーベル賞ともいわれるHonorary Right Livelihood賞や、王立オランダ科学アカデミーのハイネケン環境科学賞を受賞している。

話の中で特に印象の残ったのが、貧困や人口爆発そして環境再生の課題等を解決するためには、経済を「成長」させることが唯一の救いだと主張する人々が持っている3つのタブーについて。経済成長なしに、それらの問題を解決するための唯一の方法は1)平等に富を分け合うこと、2)人口統制、そして3)消費の抑制しかない。それが、現在の主流の経済学者や資本主義の立場からすればタブーの領域となる。

今回のハーマン・デイリー氏の講演の原稿はThe Encyclopedia of Earthで手に入る。

また今回の会議には、エコロジー経済の代表的な研究者である Robert Costanza氏, Peter Victor氏, Joshua Farley氏, David Barker氏, Bill Mckibben氏, John Gowdy氏も参加していた。


会議の動画ではないが、各人の考え方を学びたいのであれば、バーモント大学のGund Institute for Ecological Economicsのサイトがおすすめ。Gund Instituteは、私も去年GFNの仕事のために訪問した場所で、同志社大学の和田喜彦先生が現在、客員研究者として在籍している研究機関でもある。

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