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Dec 31, 2011

「組み合わせ」

「1つを聞いて10を知る」ことができる人がいる。想像力がものすごく豊かな人がいる。中学校、高校の頃、このような理解力と想像力が「社会で生きていくためにはこの2つが必要不可欠なんだぁ」とアドバイスをくれる先生もいた。

それはそれでいい。理解力と想像力は大切なこと。社会で生きていくためには(というよりも豊かな人生を歩むためには)大切な要素だと思う。

でも、ここで私がポイントにしたいことは「んじゃ、どうすれば理解力と想像力を高めることができる??」ということ。少なくとも、自分がこれまで受けた教育で、その方法(または方向性)を自分の言葉で明確に示してくれた先生はいなかった。あっても「まず、本をたくさんよみなさい」と、さらに焦点のぼやけた答えがかえってくるだけだった。想像力に関しては。。。hummmmm、あまり記憶にないなぁ。「音楽やアートに数多くふれなさい」くらい、、か。

要するに、量を「積み重ねる」ことが、理解力と想像力を高めることにつながる(かもしれない)から、とにかく努力しなさい、としかいっていない。極端な例では「能力の差」だと暗にぼかしているだけ。私は、そのどちらも違うと思う。理解力と想像力の高い人を観察していて、自分なりにたどり着いた答えは、そのような方々はみな、知識の「積み重ね」の中に「組み合わせ」加えているということ。つまり、努力や能力の違いではなく、着眼点の違いなんだと思う。

「組み合わせ」とは、例えば「A B C」の3つでいえば、「A, B, C, AB, AC, BC, ABC」の7つの組み合わせができる(おなじキャラクターで順番が違うものは除いています)これを、料理で言えば、塩・味噌・しょうゆの3つの調味料で、「塩だけ、味噌だけ、しょうゆだけ、塩と味噌、塩としょうゆ、味噌としょうゆ、塩と味噌としょうゆ」と7つの味を表現することができことを意味しています。つまり異なる「組み合わせ」によって、3つの調味料によって7つの味を生み出すことが出来る。

1つを聞いて10を知る人は、つまりこの「組み合わせ」をやっている。それを他人が見ると「ちょっとポイントを聞いただけで、なぜあの人は、こんなにもいろいろな応用を生み出せるの!!」とか、はたまた「あの人は、とても想像力がある人だ!」となる。ちょっと話はそれますが、想像力というと、「創造」とちょっと混同して、まるで無から有を生み出すこととのように捉える人もいますが、実はほとんどは「組み合わせ」のも問題です。無から有を生み出せるのは本当の天才か神だけです。いままでの人生で、会ったことがありますか、無から有を生み出せる人??

また、日本ではエジソンなどを引き合いに「努力が想像力を生むのだぁ」と主張する方もいますが、それもちょっと焦点がぶれている気がする。けっして「努力」が「想像力」を生み出しているのではないと思うんですよ。エジソンは「努力を努力」したのではなく、「組み合わせ」を楽しんでいただけだと思うんです。そして、それが好きだから(楽しいから)こそ継続できるし、継続しているからこと、他人には努力しているようにみえる。だから努力が電球の発明を生んだと捉えるよりも、「組み合わせ」を「積み重ね」ていくことが、電球の発明を生んだと捉えるほうが、エジソンの発明のプロセスを建設的に学んでいくことができるはずです。

つまり....
「積み重ね」=努力=想像力=偉人 ではなく、
「組み合わせ」+「積み重ね」=楽しいから続けてしまう=誰も見つけなかった「組み合わせ」に”気づく”=他人から想像力のある方だと評価される=偉人yay!という流れ。

「組み合わせ」自体は、別に特別な技術ではないと思うんですね。意識すれば誰にでもできることで、前回の「順序」の記事でも書いたように、子供が積み木で遊ぶことと本質的には変わらない。ただ、いままで見てこなかった「組み合わせ」というポイントを意識するだけ。

実際に、どんなに新しい知識を大量に「積み重ね」たとしても、「組み合わせ」を意識していなければ、単に知識の数が1、2、3、4と増えていくだけです。例えば、最初に出した「A,B,C」で説明すると、「D」をひとつ積み重ねたとしても、「組み合わせ」を意識していない人は、4つのことを単に暗記しただけで終わってしまう。

でも、「組み合わせ」を意識している人は、「D」という新しい知識を1つ加えると、、、え~っと、、「A, B, C, D, AB, AC, AD, BC, BD, CD, ABC, ABD, ACD, BCD,ABCD」の、なんと7個の組み合わせが(上記参照)が一気に15個まで増加することになる!これは「積み重ね」ることしか知らない人と比べると、その差は歴然としています。さらに、新しく「E」を加えてみると。。Wow! 

つまり「組み合わせ」を意識することで”結果的”に「1つを聞いて10を知る」人に近づくことになる。それは決して努力の量や能力の差が根本的な問題なのではなく、単に「組み合わせ」を知識の「積み重ね」の中で意識的に行い、そして「組み合わせ」による知識の化学反応を楽しんでいるかどうか、ただそれだけの違いなのだろうと思う。

だから子供がやっている「積み木」は奥が深いのです!

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